green scent

 

初夏のぐずついた天気の日のこと。

たしか短かった梅雨が明けるほんの少し前。


ブランチのホットサンドとブラックバスの談話で満たされたぼくらはリザーバーへ向かった。


子どもの頃の釣具屋での思い出、スケボー、離れたバス釣りにまた戻ってきたこと、クルマ、好きなプラグ、今日使いたいプラグ

ガタゴト揺れるジムニーJA11での話題はだいたいこんなところ。





あまり早く着きすぎると暑いか…なんて心配していたけれど、リザーバーは湿っぽい空気と新緑の香りに包まれていた。


今にも降り出しそう。



スロープ前の浅瀬ではグッドサイズのブラックバスが優雅に散歩。

エサを探しているというよりなんだか低気圧を満喫しているような。



ジムニーからグラマンを降ろすジュニアさんの手際のいい支度をカメラに収めていると案の定雨がパラついてきた。



お〜、降ってきたなぁ。釣れるんちゃうでぇ〜


釣り人は雨が降ってもポジティブ。


実をいうと雨の中での釣りはそんなに好きではないけれど

今日はなんだか気にならない。





順調に釣り下っていくといかにもな冠水ブッシュ。

でもちょっと投げづらいなぁ

下手に投げるよりバックシートのジュニアさんに任せよう。


自分はもう一つ先のオーバーハングへ。


ポーズの間、さっきのポイントの答え合わせが気になって後ろを見ると

ちょうどジュニアさんのプラグがブッシュの上を通過するころで、


おお…やはりそこですよね・・・と思った瞬間には水中で白いお腹が光ってた。


ジュニアさんの今日のタックルはブローニングのウルトラライト。


パワーが足りん~

のされまくってる~

といいながらすごく楽しそう。



リザーバーらしい色のカッコいいブラックバス



ヒットルアーはバグリーのバンゴー

トップウォーターミノーイングでもなくめっちゃ水中だった。


トップウォーターが好き。


だけどトップウォーターの制約に自分を閉じ込めたいわけではない。


同じように満たされるものがあるのであればトップウォーターに拘ることはないと

そんな考え方でいます。


ジュニアさんもそんな考えかもしれない。


トップウォーターの釣りをする人も色んなタイプがいますけど、

あぁ、この人はほんとうにブラックバスが好きなんだろうなと感じるようなバスマンとの釣りは楽しいし、発見もあり。





さて、日が傾きそろそろはじめのスロープへ戻らないといけない時間帯。


もう見えづらいなぁ。


あぁもうハングの下が見えない。。


うーん、もう着水がどこかも怪しい。。。



バイトはあるもののキャッチに至らないまま

とうとう夕マヅメを使い果たしてしまった。



ふたりとも言いたくなかった言葉を合図にしぶしぶグラマンが方向転換。



あぁ〜、これが朝まずめだったらええんになぁ

とつぶやくジュニアさんはほとんどバス釣り少年だった。




ヒグラシも鳴き止み

彩度はすっかり失われ

白い岩肌だけが認識できる程度


最後、もう一箇所だけやっていい?


もちろん、やりましょう。


プラグをわざわざ結び変えたぼくもまたバス釣り少年



ぼくらは近づくスロープから逃げたかったのか帰路から外れ、

街灯とホタルの光りに誘われるようにワンドへ入っていった。




追伸


スタート時に雨が気にならなかったのは

おそらく雨と緑の香りでバス釣り少年モードになっていたからということで今納得しました。

雨の釣りといえば16年前の夏

人生で2匹目のブラックバス、たかの池のインレットで釣った31㎝。

あの魚が雨の日の楽しみ方を教えてくれたんだった。そうだそうだ。

カッパも新調したし、たまには雨の釣りも悪くない…?

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